2017/10/30 (Mon) 「残酷すぎる成功法則」エリック・バーカー著 / 橘玲 監訳

自己啓発セミナーの勧誘を受けました。彼は売れっ子とのこと、いかにして客の気分を高揚させるのか、その話法に好奇心が湧いたので、正直この面談を楽しみにしていたんだけど、途中で匙を投げられてしまいました。残念。けっして斜に構えることなく、素直に受け答えしたんだけどなぁ。ちゃんと最初に「貴方の話法に興味があるから来た」と目的も伝えたわけだから、俺が彼を騙したわけじゃない。

まず1時間ほど俺から「どうやってそんな売りにくい商品をバンバン売ってるんですか?」みたいに質問攻めにして、それに快く答えてもらい、さぁいよいよお目当ての勧誘タイム!ってところで、ものの5分で打ち切られてしまいました。

冒頭で「EYKさんはこれから夢に向かって向上したいと思ってるんですよね?」って問いかけられたので、正直に「いいえ、欲しいものは全部手に入れて満たされた人生、今後も現状維持して大過なく過ごしたい」と答えた途端に彼の中で何かがプツンと切れたようです。「ちょwこれからだろw俺みたいなローテンションの客をキミの話法で盛り上げてくれよ!」って心で叫びました。

なんか悪い事しちゃったなぁと思ったけど、彼の方から声かけてきたんだからしょうがないよね。

因みに今読んでる本は「残酷すぎる成功法則」と言って、巷に溢れる自己啓発の方法論を科学的に分析し、効果があるのかないのかぶった斬る内容です。

171030tcbn.jpg

本で読んだ事を実際に当てはめて検証してみたかったんだけど、俺は“いい客”になりきることができず、彼にその片鱗すら見せてもらえなかった。それどころか、俺は呼び出された“客”だったのに、コーヒー代も奢ってもらえなかった。よほどアタマにきたのかなぁ・・・




| trackback(0) | comment(0) |


2017/07/07 (Fri) 橘玲 著「幸福の資本論」を読んで

170707tcbn.png

待ち切れない思いで発売日に書籍を買う、なんて事、40年超の人生で恐らく初めてじゃないかな。で、もう2回読んだ。

橘氏の著作のほとんどはタイトルが俗っぽい、と、これまでも繰り返し書いてきたが、今回のはタイトルは普通だけど、表紙がかなり下世話(笑)。もっと知的でオシャレな装丁にしてもらいたいもんだが、分かりやすさを最大限に重視すればこうなっちゃうのは仕方がないのかな・・・。確かに文中に「ソロ充・プア充・リア充」の話は出てくるけど、これではまるで安っぽいハウツー本みたいだよね・・・。




それはさておき、現時点における橘氏の“人生設計本”の集大成的な内容。相変わらず文章も平易で読みやすい。

まず、幸福を実現するために必須なものとして「金融資産・人的資本・社会資本」の三つのインフラが挙げられ、これら全てを満たすことは至難だが、いずれか2つを満たせば相当高い精度で幸福になれる、と説いている。

実は自分も以前から「どうやったら高確率で幸福感を得られるか」を考えていて、それは複数の精神的支柱(例えば「仕事・家庭・趣味」のような)を作ってリスクヘッジする事だな、という結論に至りましてね。つまり、何本かの柱の一つあるいは二つが上手くいかなくても、残り一つでも柱が残っていれば、そこで幸福感を感じられるんじゃないか、と考えたのです。仕事がダメでも趣味に燃えればいい、趣味がダメでも暖かい家庭があればいい・・・といった具合に。これがもし「仕事一筋」だったりしたら、その仕事が上手くいかなかったら絶望じゃん、となるわけです。

このように、自分自身も「分散投資」「リスクヘッジ」の幸福論を持っていたので、橘氏の論もすとんと腑に落ちたわけ。(ただ自分の幸福論は、経済的な部分は考えず、「喜びを見出す居場所」に特化したものだったけれどね。)




で、その「三つのインフラ」の考え方から導き出された結論がいくつかあって、まず「お金」に関して言えば、

①年収800万円(夫婦なら1500万円)までは、収入が増えるほど幸福度は増す。
②金融資産1億円までは、額が増えるほど幸福度は増す。
③つまりそれ以上増えても幸福度は変わらない。


との事。なので、とりあえずその額に達するまでは頑張ってお金を稼いで貯めましょう。・・・と言うのは簡単だけど、恐らく②は届かなさそう。したがって、このさき一生、完全にお金の問題から開放されることはなさそう、と言うこと。「早期リタイアしてあとはのんびり暮らす」なんて事もできないし、「年に一度の海外旅行は無理だから、基本は国内旅行にしとこう」だし、「むすめを普通に大学まで出してやるのは大丈夫だが、留学したいのなら奨学金で行ってもらおう」など、どこかで制約がかかる人生ということです。

そして資産運用については、この低金利時代にできる事は少なく、

④普通預金と外貨預金に分散しておけばいい。

だそうで。実感としてもその通りだと思うし、実際今自分がしてる事とも大して違いはありません。




次に「人的資本」についての結論は、

①好きな事に人的資本の全てを投入する。
②好きな事をマネタイズできるニッチを見つける。
③官僚化された組織との取引から収益を獲得する。


との事。③は必須ではないと思うけど、①②は両方必須だよね。②の事を考えず、①だけ目指してる人は結構多そう。いや、もっと多いのは、①すら目指さず我慢してる人かな・・・。

そして極め付きの結論は、

④生涯共働き

これです。とにかくみんな「老後が不安」なのだから、「老後」を極限まで短くしてしまえばいい、と。逆に言えば、一生働き続けるのなら好きな事しかやれないでしょ?という事。

この結論が残酷なのは、日本人の大半を占める「サラリーマンという生き方」が、この戦略にほとんど当てはまらないからです。実は自分も同じ事(③以外)を考えていて、だからこそ昨年、20年続けた「サラリーマン」を辞めたのです。ギリギリだった、というか、43歳(当時)という年齢は、一般的に言えば手遅れだよね。まさにこの本に書かれている通り、ほとんどのサラリーマンは「社内スキル」しか身につかないので、その会社以外では通用しないんですよ。そんなサラリーマンだった自分がそれでもなんとか今新しい仕事で暮らしていけてるのは、専門性のある学歴、そこで取った資格、そして何より、退職後の勉強で身に付けたスキルのおかげであって、社内限定スキルなど全く役に立っていないのです。①②に完全一致とはいかないまでも、スペシャリストと言われる仕事で楽しいしやりがいもあるし、④は(妻は別問題として)十分実現可能な仕事です。




最後に三つ目の「社会資本」についての結論は、

◎「強いつながり」を恋人や家族に最小化し、それ以外の関係を「弱いつながり」にする。

これについてはまさに今の自分の方向性で申し分ない。自分の友人関係は、わけもなく飲みに行ったり、悩み相談をしたりといったベタな付き合い方ではなく、価値と価値を等価交換できるような関係がほとんど。楽器の弾ける人とバンドを組み、面白い活動をしてる人とコラボしたり情報交換したりする。いわばプロジェクト毎に離合集散を繰り返すスタイルに近いと言えます。




橘氏はこれら三つのインフラの、どれとどれを組み合わせて持っているかによって、8つの人生パターンに分類しています。

・三つ全て持ってる=「超充」タイプ(←原理的に不可能に近い、との事)
・「金融資産」&「人的資本」=「金持ち」タイプ
・「金融資産」&「社会資本」=「旦那(遊び人・趣味人)」タイプ
・「人的資本」&「社会資本」=「リア充」タイプ
・「金融資産」のみ=「退職者」タイプ
・「人的資本」のみ=「ソロ充」タイプ
・「社会資本」のみ=「プア充(マイルドヤンキー)」タイプ
・何も持ってない=「貧困」タイプ

これによると自分は、「人的資本」と「社会資本」を持っている、すなわち「リア充」タイプ。はい、実感と相違ありません。そして今後の課題は、

①「金融資産」をなるべくマシにする→今年で某「足枷」が終了するので、あとはひたすら貯めるのみ。
②「人的資本」を確固たるものにする→なにせ職がえしたばかりなので、今の仕事を完全に軌道に乗せる。そしてカミさんの人的資本は、今は十分なものだけど、来るべき将来の課題は見えているので、それに備える。
③「社会資本」の維持→この調子でやっていく。

最大の課題は②!当分の間は②に集中、で間違いない。

なんて俺にぴったりな内容なんだろう。俺のために書かれた本かよ・・・と最後まで読み進めると、あとがきに置かれていた言葉が、

「ひとは、自分と似ているひとからの助言がもっとも役に立つ」

でして。まるでお釈迦様の掌の上の孫悟空の気分。いやはや、参りました。









| trackback(0) | comment(0) |


2017/01/08 (Sun) 岸田秀、橘玲の著作

自分がこれまでに最も大きな影響を受けた本と言えばまず、20代のモラトリアム期に夢中で読んだ、精神分析学者 岸田秀の一連の著作です。

170108ksd.jpg

特に代表作「ものぐさ精神分析」は、月並みな表現ではありますが、読んだ後「世界を見る目が変わった」と言っていいでしょう。ドラえもんから特殊なメガネをもらったような感覚。その後の彼の著作は、自身が「二番煎じ」「出がらし」と表現している通り、この「ものぐさ精神分析」の派生作品、スピンオフと言ってよいと思います。それでも大ファンである俺はそのほとんどを追っかけたんだけどね。

彼の思想は「全ては幻想である」という考え方から出発し、世の中のありとあらゆる事象が遡上に上り、見事に美しく「説明」されています。「辻褄が合う」という事は実に気持ちのいい事です。書店の棚には、身の回りに起こる数々の困難に対する対処療法的なハウツー本が腐るほど並んでいますが、急がば回れ、きちんと真因と向かい合い、それを踏まえて自分で考え、対処した方がいいですよ。




さて、そんな名著でも、さすがに科学的な知見に関してはいささか古さを帯びてきます(大筋は相変わらず魅力的ではあるけれども)。20代で出会った本をバイブルのように抱きしめ続けるのにも気恥ずかしさが漂うようになった頃、人生2度目の衝撃とも言える本に出会いました。

170108tcbn.jpg

それが橘玲「残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法」です。彼の著作はなぜかどれもタイトルがゲスいのが本当に惜しい。本屋で手に取ったり、こうして紹介したりするのが若干恥ずかしいとすら思います。

しかし、内容はまさに知的興奮の連続。彼の語り口は、「遺伝(進化論)の絶対性」「市場原理を基にした冷徹なものの見方」の二つが軸になっているように思います。彼自身がその一連の著作の冒頭でたびたび注意喚起している通り、世に蔓延する「きれいごと」に毒されている人にとっては、「読んだら不愉快になる書物」なのですが、そのきれいごとに薄々違和感や疑念を抱いている向きにとっては快哉を叫びたい内容。この世界の残酷な描写に気分が暗くなるという感想も多く見られますが、俺の場合は逆にすっきりして明るくなりました。「やっぱそうだよな~」となり、明日へのエネルギーが湧いてきます。遺伝的に知能が低かったり才能がなかったりする人もどう生き延びれば良いか、その対応策がちゃんと書かれてるし、希望の光と優しさはちゃんと含まれてます。

彼の著作にハマったきっかけは、昨年のベストセラー「言ってはいけない」をゲスい好奇心で手に取った事。そこから過去の著作を図書館で手当たり次第にあたったのですが、どうやらその代表作と言えそうなのがこの「残酷な世界で~」だったのです。昨年は個人的にとても多くの自由時間があり、(会社を辞めての)転機にこのような刺激的な良書に出会えて本当に良かったと思ってます。

因みに、アマゾンのレビューには多くの誤読が含まれているので要注意。これほど平易に書かれているのにも関わらず、なぜこんなに多くの人間が誤読をするのか不思議。否定的な感想だけでなく、肯定的な感想にも誤読が含まれています。是非ご自分の目で実際に読んでもらいたいと思います。













| trackback(0) | comment(0) |


2016/11/30 (Wed) 民俗学者:宮本常一

俺のアイドル、民俗学者:宮本常一。愛機オリンパス・ペンを持って日本中をフィールドワークし続け、膨大な記録を残した。漂泊民・被差別民や性について赤裸々に描写したため当時は冷遇された、というエピソードがイカす。

516E690TwcL.jpg

俺は宮本の著作「山に生きる人々」で「サンカ」や「マタギ」という語を知ったんだけど、それ以来、山中の道なき道を歩いていて住居跡を見つけると、そうした山の民が一体ここでどんな暮らしをしていたのか、思いを巡らすようになった。

161104byoubu.jpg

最近よく遊んでる瑞浪の屏風山の尾根上には、そうした住居跡が点在していて面白いんだよね。

81OTgHBwS5L.jpg

この「塩の道」は、過去記事にて紹介済み。

51QDZTNMC5L.jpg

この「忘れられた日本人」は、彼の代表作。

俺も郷土資料などで古道なんかの情報を収集して実際に辿ってみたり、山中の登山道ではない所を歩いてみたりするけど、そうした遊びって、現代人が失ってしまった精神性や身体性を取り戻す作業なんじゃないかと思うんだよね。





| trackback(0) | comment(0) |


2016/11/07 (Mon) 推薦図書「冒険登山のすすめ」米山悟 著

ワークショップ「土岐市 探検ウォーキング」ですが、予想を上回るペースでお申込みをいただき、既に定員の3分の2に達しまして、急遽定員を10名増やしました。当初は予定していたなかったマル秘の「助手」も参加します。

ご検討中の方はお急ぎ下さい!




ワークショップの開催前という絶好のタイミングで、まるで推薦図書とでも言うべき本を見つけました。

161106bktzn.jpg

「冒険登山のすすめ」米山悟 著

「冒険登山」などと言われるとビビってしまうかも知れませんが、書かれている事の中にはすぐに真似できるような事から、文字通りの高度な技術までいろいろあります。かくいう自分も、雪山装備ゼロなのでイグルー(雪で作った簡易住宅)山行はすぐにはできないし、手で尻を拭く排便もできません(笑)。「あ、これならやってみようかな」と思ったものだけまずは真似てみればいいと思います。

特に共感したのは、登山道や案内板が整備され、ガイドブックにまで載っているような有名な山は、「山」というよりむしろ「公園」という認識であり、自分んちの裏山のような低山であっても、自ら地形図を読み、最低限の装備で、知恵を使いながら登る事の方が登山の本質に近い、という部分です。人気の山が「公園」であるからには様々なルールがあるのは当然で、それに対し「素の山」は圧倒的に自由度が高く、自然と対峙する事ができます。

自然への畏怖を妨げるものとしてGPSの不使用も訴えています。あくまで地形図と方位磁針から位置同定をしよう、と。尾根は山頂に向かって収束していくので登りに使い、沢は下に向かって収束するので下りに使う、というのも納得。これらを逆に使うと、進むにしたがってどんどん枝分かれし、間違いやすくなります。

膝を打つことしきり、読後はすぐにでも近くの山に登りたくなりますよ。










| trackback(0) | comment(0) |


| TOP | next >>

プロフィール

EYK

Author:EYK
2つのバンドでドラムを叩いてます。
名古屋を中心に活動するインディーズ・バンド『ニコルデカ』
★12/30(土)LIVE@大須 ell.SIZE♪
★11thアルバム『士(サムライ)』好評発売中♪
★ベスト盤『better』(1st~7thアルバムから選曲)好評発売中♪

世界に愛と平和をもたらすために結成された名古屋発スーパーバンド『ビートエフスキー』
★年内のライブはありません。

twitterやってます

instagramやってます

カレンダー

10 | 2017/11 | 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -

カテゴリー

最近の記事

最近のコメント

月別アーカイブ

ブログ内検索

RSSフィード

最近のトラックバック

リンク

このブログをリンクに追加する