2016/05/20 (Fri) ヒッチコック一気鑑賞

ウチにあるヒッチコックのDVDを一気に観なおしています。

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いずれもスタイリッシュで、画面からむせかえるような芳香が漂ってきそう。

これ以降の映画やTVドラマに散見される、「いかにも」と言う感じのベタな演出の多くは、ヒッチコックのテクニックが原典である事は、観れば誰でもすぐ分かると思います。例えるなら、ヒップホップにとってのジェームス・ブラウンのような存在か。あまりにオイシイので、拝借する者が後を絶たない、という感じ。


↑一例を挙げるとしたら、有名な「サイコ」のシャワーシーン。「サイコ」を一度も観たことない人でも、既視感があるでしょう?

いわば「映画の教科書」なわけですが、だからと言って教科書として身構えて鑑賞しないといけない、なんて事は全然ありません。それは例えば、「ポップ・ミュージックの教科書」とも言えるビートルズの音楽を、今の耳で聴いても優れた音楽として普通に楽しめるのと同じです。芸術性も娯楽性も色気もたっぷり。

最高傑作は「めまい」「サイコ」「裏窓」あたりかな。

「めまい」は、妖艶で幻惑的、かつ、狂おしく切ない。「サイコ」は、今や怖いと言うよりはカッコイイ。「裏窓」はお見事!と言うほかない。





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2016/04/21 (Thu) ランダム映画評 fromツイッター

“(裏)迷盤な日々”こと「EYKのツイッター」にて、“ひとこと映画評”をまとめて投稿したので、せっかくだからここに貼り付けておきます。




絶賛求職中につき、超低コストな遊び(=所蔵DVDの再鑑賞)に励んでいる。経費0円だもの。「大半の映画は2度目の鑑賞が一番楽しめる」とは前々から感じている事だ。(ちなみに今回のラインナップには3度目、4度目の作品もある。)




この数日で最も良かったのは、パク・チャヌク監督の #JSA 。斬新な演出、巧みなストーリーテリング、演技、娯楽性、メッセージ性、全てがバランス良く、完璧なんじゃね?韓国映画ではコレと #ペパーミント・キャンディ が双璧と思う。




同じくパク・チャヌク監督の #親切なクムジャさん 。演出が意欲的なのは買うが、スジが薄っぺらく、演出の斬新さだけが空回り気味。同監督の“復讐三部作”なら #オールドボーイ が最も出来が良い。




南北朝鮮分断ものとしては #シュリ も観た。リアリティの欠如っぷりは「アルマゲドン」並みだが、よく出来た大娯楽作品として、しっかり楽しめた。普通に切ない。




#カンフーハッスル 。これは再見の必要がなかったかな。主人公のキャラ造形があまりに弱い。 #少林サッカー の方がイイな。ワイヤーを中心としたアクションや群舞はやはり楽しく、“21世紀版にアップデートされた香港映画”という感じ。




#血と骨 。ボリューム感たっぷりで楽しめた。役者陣の演技はいずれも素晴らしい。欲を言えば、深作欣二のような荒々しさがもっと画面から飛び出てくると良かったかな。主人公の凄まじい欲望を表現するには、画面がちょっと大人しいというか、綺麗すぎたかも。




#バベル 。これは2回観た方が断然楽しめる。画が美しい。野心的な演出には好感が持てるが、全体的な完成度は低い。登場人物全員が揃いも揃って愚か過ぎてイライラするが、タイトル「バベル」の意味を考えれば、まぁ、愚かに描くのは当然か。




#ブルー・ベルベット 。リンチの映画って凄いんだけど、極めて能動的な鑑賞を必要とするので、軽々しく観ようと思えないんだよね。それはともかく、最高に官能的でアブナい映画。リンチ映画の割に娯楽性も高い。冒頭に出てくる腐った耳と、ローラ・ダーンの泣き顔が相似形だと思うのは俺だけか。




#チョコレート 。これは初見時の方が断然良かった。人種差別主義者の主人公が黒人女性に心を開いていく様に感動したものだが、今回再見したら、なんだかご都合主義のSEX映画に見えてきた。肥満の息子も死んじゃうし、要介護の親父を施設にぶち込んだり(共にお荷物)、蓄財で何でも買い与えたり。




#ブレア・ウィッチ・プロジェクト 。友人から借りて初見。映画単体では語れないメディア・ミックス作品であるという予備知識を得てから観たので、ちゃんとそれなりに楽しめた。「ツインピークス」なんかと同様に、リアルタイムで流れに乗っていたらきっと100倍は楽しめただろう。




#フォーリング・ダウン 。めちゃくちゃ面白いはずだけど、カミさんは隣で寝てた。娯楽性だけをひたすら突き詰めた姿勢は潔く、アッパレ。展開もスピーディー、中だるみもなく、伏線の回収も見事。そういう意味では完璧。




#ウィッカーマン 。さすがのカミさんも寝ずに観た、俺の“生涯のベスト10”に入るほど好きな最強のカルト映画。サントラが欲しくてたまらんのだが、プレミアが付いて5000円もしやがる。寓話的で風刺効きまくり、画も音楽もグロ美しい。※ニコラス・ケイジ主演のリメイク作の方ではない。




たけしの #座頭市 。頭カラッポにして観れるなぁ。




#オー・ブラザー! 人を食ったような寓話の連続で、とらえどころのないビミョ~な面白さがあるが、駄作知らずのコーエン兄弟の作品群にあっては下の部類か。ミュージカル映画ばりに音楽の存在感が大きく、サントラが良い。




#第9地区 やはりめちゃくちゃ面白い。インディー映画っぽいアイディアや熱が溢れている。意図せずバケモノに変身させられてしまうと言うプロットは、モロに「ザ・フライ」とカブッてしまっているけれども、ラストシーンに希望が見出だせる点が決定的に違う。




#ユージュアル・サスペクツ 。これとか「シックス・センス」みたいな大どんでん返し映画って、当然、再鑑賞時に同じ衝撃を受ける事は不可能だけど、仕掛けが複雑なので整理するために観る、という別の意味が出てくる。「メメント」もそう。「シックス・センス」は単純なので二度観る必要はない。






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2015/07/04 (Sat) まずは映画館で観ないと話にならない。『マッドマックス 怒りのデス・ロード[Mad Max: Fury Road]』

むすめの付き添いで「プリキュア」や「嵐」の映画に行ったのを除くと、自分の観たい映画を映画館に観に行ったのは、なんと2000年の『夏至(監督:トラン・アン・ユン)』以来15年ぶり!

ただ、その『夏至』は知人のつてでタダで観たので、“金を払って”映画館に行ったのは何年ぶりだろ?え~っと・・・・思い出せねぇwww

そんな奴が映画を語るな、と言われそうですが、自分は「DVDを所有して繰り返し観る」派で、今ざっくり数えたら600~700本ありそう。レンタルで観たのを加えたら数千本観たのは確実なので、ちょっと語らせてもらっていいスか?

いや、何が言いたいのかと言うと、そんな自分をしてウン十年ぶりに映画館に走らせたこの映画の凄さ、ですよ。これは、なんつーか、劇場でやってる間に行っとかないと後悔する気がして・・・俺の嗅覚がそうさせたわけさ。




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案の定、これはまず映画館で観ないと話にならん映画ですわ。後にDVDでそのディテールに目を凝らすのはもちろん結構ですが、まず初めに映画館で観てぶっ飛ばされないと、“真価”は分からんです、きっと。

これを書き始める前にさっきカミさんにたっぷり語ってしまってあらかた満足してしまったのですが(カミさんはさぞかし迷惑だったことでしょう)、それではブロガーの名が廃るってもんで、頑張りますw




現在バリバリ上映中の映画なんですけど、ネタバレの心配は無用。だって、「同じ道を、行って、帰ってくる」だけなんだもの(爆) そのことだけに絞った潔さと必然性、そして、そこまで単純化したプロットを、中だるみ皆無で2時間以上観させる事がまず凄い。

「カーチェイスだけでどうやって2時間も?」という素朴な疑問には文章では十分答えられないので、映画を観てもらうしかないね。凡百のアクション映画とは演出センスが圧倒的に違うとしか言いようがない。これはもう、サーカスであり、舞踏であり、アートであります。1コマ1コマを静止させても、1枚の絵画として成立しちゃう美しさ。

小説化・コミック化したところで全く意味を成さない、映画でしか表現できない、という意味で、極めて映画的な映画。



目を凝らして字幕を追う必要はないし、頭を使って理解しないといけないような複雑な伏線や人間関係は、ない。でも、ストーリーはどうでもいい、と言うわけではない。そこに込められたメッセージは実に骨太なので、アクションを体感し、世界観に見惚れていれば、自然と身体に入ってくるのです。

ストーリーをことさら追う必要がない分、ディテールを楽しむ余裕も出てきます。凝りに凝った小物や衣装や舞台装置やキャラ設定。そういったしょーもない部分にこそ至高のグロ美やマヌケ美を見出そう、という姿勢は、デイヴィッド・リンチの「デューン-砂の惑星-」を彷彿させます。

例を挙げればキリがないが・・・無駄装備ヒャッハー車/なぜか火を噴くギター/ひたすら太鼓叩いてるだけマン/乳首のカフスボタン/後頭部に赤ん坊の顔(剥製か?)をあしらった装飾/ババアライダー/あの長い棒につかまって襲いかかるやつ、意味あんのか?/ 「歯の生えたヴァギナ(©フロイト)型」貞操帯/ 搾乳機と化した女/女は産む機械(©柳澤伯夫元厚生労働大臣)・・・ディストピア描写のセンスがハンパねぇ。

細部に込められたメタファーだとか、ヒネった文明批評だとか、深読みすればその分楽しいだろうが、しなくても全然OK。因みに、これはシリーズ4作目だけれど、1~3作を予習する必要も特にナシ。てか、全然つながってないし、4作目のこれが圧倒的に一番出来がいい。




自分の周りにはまだ「観た」という人がいないのだけど、そういう同志に会ったら是非、「ヒャッハー!」とか「V8!V8!V8!」とか「それは俺の車だ!」とか、挨拶代わりに交わしてみたいものです。









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2012/10/02 (Tue) イングロリアス・バスターズ(監督:クエンティン・タランティーノ)

これも随分前に観てピンとこなくて、最近再見した映画です。

二度目の方が楽しめたな。

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思えば、タランティーノ作品としては、久し振りにまともな手応えの映画じゃないかな。「レザボア・ドッグス」「パルプ・フィクション」で衝撃を受け、その後の監督作品はもちろん、脚本だけ担当した映画も律儀に追いかけた身としては、その二作品を大きく下回るクオリティの映画しか撮れなくなった彼に、ほとほと愛想が尽きていたところだったからね。

一回目の鑑賞でピンとこなかったのは、やはりその二作品に匹敵するものではなかったから。しかし、その二作品へのこだわりさえちょっと脇に置いておけば、これはまずまずの佳作だと思います。

自分が考えていたタランティーノ演出の魅力とは、例えば時系列をバラバラに切り刻むようなラフで斬新なスタイリッシュさ。この映画にはそういう粋は感じられないけれど、その代わりにちゃんとしたストーリーテリングの巧みさがある。要するに「普通に面白い」んだな。

タランティーノらしさは、全くないわけじゃない。彼独特の悪ふざけは全編に健在で、何といっても、デフォルメされまくったナチスおよびユダヤ人の描写は、日本人の俺は笑っちゃうけど、当のドイツ人やユダヤ人が見たら怒られちゃうんじゃない?w 

前半部分での、バスターズの個々のメンバーの紹介がコミックタッチな所も故意に安っぽくて彼らしいし、ブラッド・ピットによるイタリア人の物真似が単なるアホにしか見えないのも爆笑。また、多くの国の言語が複雑に交錯する会話劇も、そういえば彼の真骨頂だよね。

・・・と、こう感想を書いてみると、なんだ、結構往年のタランティーノ節が炸裂してるじゃんw

最後になりましたが、ランダ大佐役のクリストフ・ヴァルツの演技は圧巻!アカデミー助演男優賞受賞だそうですが、完全に主役を食う怪演。素晴らしいです。





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2012/10/01 (Mon) ブラック・スワン(監督:ダーレン・アロノフスキー)

熱量が凄いなこれ。ほぼそれだけで観させる映画。

特にナタリー・ポートマンの熱演は凄い。その一点にのみ全てを集中させた演出は良かった。

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ただ、サイコ・スリラーものとしては、筋が単純すぎ、描写も親切すぎて分かりやすすぎる。DVDパッケージの惹句「あなたの想像は100%覆される」ってのは大嘘だろw?逆だろw?ライバルを刺し殺したつもりが、実はそれは自分の幻影だった、なんて、誰もがそういうオチを予想してたと思うよ。「現実か幻覚か」はもっと境界をあいまいにして、我々観客も幻惑し、共にトリップにいざなってくれないとねぇ・・・。更に言うと、そもそも主人公がボスから「色気がない」という課題を突きつけられた段階で、その後こういう展開になるだろうなって筋が大体読めちゃうという・・・w

そういう、かなり本質的な欠陥を孕んでいるとは言え、膨大なエネルギー量で見る者を一気に引きずり込み、ラストの黒鳥の演技のシーンではかなりのカタルシスを感じさせてくれたわけだから、なかなかの佳作と思います。

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EYK@ビートエフスキー

Author:EYK@ビートエフスキー
世界に愛と平和をもたらすために結成された名古屋発スーパーバンド『ビートエフスキー』
★8/6(日)LIVE@大須ell.SIZE♪
現在充電中、名古屋のインディーズ・バンド『ニコルデカ』
★11thアルバム『士(サムライ)』好評発売中♪
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