NHKってどうよ?
例の「番組改変訴訟」で原告側が敗訴したそうです。http://backnumber.dailynews.yahoo.co.jp/?b=21&t=d&d=20080612
一見、「善玉が悪玉に負けた」かのような図式ですが、そう単純なものではなくて。
原告の主張は「取材された人の期待通りの番組が作られなかった。これは『期待権』の侵害だ」というものでありまして。「期待権」なる造語もかなり違和感がありますね。取材対象者の意向を過剰に重んじて番組作りなどすれば、自由な報道ができなくなるのは当然で、今回の判決はまあ仕方のないものと言えます。
原告側には、「期待権」などというものではなく、他に訴え方はなかったのか?そもそも、裁判に訴える以外に何か抗議の方法はなかったのか?NHKが悪玉である事は確かなだけに、残念ですね。
それにしても、今回の判決では、「政治家の圧力による番組の改編があったのかどうか」には一切触れられていないにも関わらず、アベ心臓のヤローは「朝日新聞の記事が捏造であった事が改めて確認された」などとタワケたコメントを発している。まさにバカと卑怯のハイブリッド政治家である。
さて、今回の判決後、良心的な報道機関およびジャーナリズム関係者たちが「報道の自由が守られてホッとした」というようなコメントを寄せるのは良いのだが、悪玉報道機関である当事者NHKが「当然の判決だ」などと大イバリでコメントするのは腹が立つ。裁判では勝っても、国民は許してはいないよ。
以前、受信料不払いブームが起きた時、ある新聞投書で「抗議するならキチンと受信料を納めてから言おう」という内容のものがあった。確かに正論。その通りなのであるが、NHKが視聴者の抗議の声を真摯に受け止めるなどとは到底思えないのだよ。どんなに正当な手段で抗議しても、きっとどこ吹く風であろう。それならば、完全な脱法行為ではあるものの、「金を払わない」のが一番キクだろうよ。一般視聴者はそれしか手段がないからやっているのであって、NHKは不払いを非難する前に、まず真面目にやれよな。払えるのに給食費払わないバカ親と一緒にして欲しくないね。
ここまでボロクソ言っといてナンですが、テレビ嫌いの俺がしょ~がなくテレビをつけるとき、どこのチャンネルを見るかというと、これがNHKなんだな。
よくいろんな所で言われているように、番組の制作現場はいたって真剣なのだと思います。良質な番組も多いし。
が、NHKにチャンネルを合わせる最大の理由は、『民放が嫌いだから』であります。
とにかくもう、低俗でやかましいのであります。
特に苦手なのが、「バラエティ」と「ワイドショー」。どこがどう嫌いかなど、今更説明するのもアホらしいですが。なんでタレントがバカ騒ぎしている様子をわざわざ貴重な時間を使って見なければいかんのか。十分聞こえてるし、しょーもない内容の発言なのにいちいちテロップを付けるのはなんなのか。芸能人の破局なんぞいちいち放送して何の意味があるのか。事件報道にいちいちおどろおどろしいBGMを付け、いかにも正義の味方面して被害者に「今のお気持ちは」などとマイクを向けるのはなんなのか。そもそもあの「コメンテーター」なる低レベルな輩は一体何者なのか。
最近はクイズ形式の「ちょっぴりお利口になれる脳トレ」的な番組が流行っているようですが、総じてレベルが低すぎるし。
音楽番組は相変わらず「音楽の内容そのもの」が乏しいし。ちょっと「掘り下げ型」の番組でも、大体がアーティストをスタジオに呼んで制作秘話を聞く、みたいなのばっかりで。だいたいね、アーティストがなんでその音楽を作ったか、なんて俺は興味ねぇんだよ。百歩譲って興味があったとしても、それはあくまで音楽自体が超一流であった時のみなんだよ。俺が望む音楽番組というのはもっとね、見識の深い音楽評論家や文化人が、ある優れた音楽を取り上げて、どのように解釈し、楽しむか、その見方を提供する番組なわけさ。
ドラマも、何が面白いのかわかんない。明らかに、映画と比べてクオリティが落ちるものを、なんでわざわざ毎週チェックするのか。レンタル屋に行けば200円ぐらいで名画のDVDがいくらでも観れるのに。1000円も払えばそれが買えちゃうのに。
民放で見るものと言えば、「ネタ満載のお笑い番組」か、W杯・五輪・格闘技といった密度の濃いスポーツ番組か、ぐらいしかないわけで。そのスポーツ番組も、試合前にジャリタレが出てきて腐女子が「キャー」と騒いだり、織田裕二がはしゃいだりして、確実に魅力を半減させたりして。
と、そういうわけで、自民党の「敵失」に上手くつけこめないふがいない民主党と同様に、勝手に低レベルに堕ちて行く民放の「敵失」にも関わらず、自ら失態を繰り返すNHK、非常に残念ですね。