2015/11/14 (Sat) 『スタジオの音が聴こえる』高橋健太郎

最も信頼している音楽ライター、高橋健太郎氏の2冊目の単行本。1冊目は'91年に出た『音楽の未来に蘇るもの』('10年に『ポップミュージックのゆくえ』として復刻)で、当ブログの過去記事でも紹介しました。また、氏が編集したウェブマガジン『ERIS』過去記事で紹介した事があります。

氏は「音質」および「音質に特徴のあるプロデューサー/エンジニア」という切り口でレコードを聴くという楽しみ方を教えてくれた人。おかげで、'90年代にはミッチェル・フルーム&チャド・ブレイクやダニエル・ラノワの創り出す音に狂喜乱舞したものです。

151114STDO.jpg

そして今回この著作で氏が提示してくれた切り口は、「レコーディング・スタジオ」。'70年代(ロック/R&B)の音が最高である、という前提のもとで、その'70年代に活躍した、独自のポリシーと技術を持つスタジオとその代表作を中心に取り上げています。

世界一有名なスタジオであるアビーロード・スタジオを「保守的」として取り上げず、主にインディペンデントなスタジオに重きを置いており、それゆえの興味深いエピソードやヴィンテージ機材に関する蘊蓄が満載。取材力と資料集めの努力が凄いですが、そういう知識のない人が読んでもちゃんとエンターテイメントとして成立しており、読んでるそばからここで紹介されているレコードを聴きたくなっちゃいます。

自分としては、'90年代前半にオープンリール(磁気テープ)によるアナログ方式のレコーディングを体験しているし、今はもちろんプロトゥールズによるハードディスク録音をしているので、時代によってレコーディング環境が激変するという感覚がよく分かるし、これを読むことで'70年代の偉人達の置かれていた環境を追体験しているような感覚を得られて楽しい。




さて、参考盤として何を挙げるか、ですが。この本で取り上げられたものはこの本を是非読んでいただければいいとして(笑)、ここでは、氏が関わった盤を挙げるとします。そう、氏は音楽ライターであるだけでなく、ミュージシャンでもあり、制作者でもあり、レーベル主宰者でもあるのです。だからこそ、このように技術的に詳細な本が書けるのですね。

151114ash.jpg

朝日美穂『スリル・マーチ』

プロデュースに録音に演奏に、まさに氏が総力をあげた代表作じゃないでしょうか。朝日美穂は全アルバムを持ってますが、彼女にとっても最高作だと思うし、あのジム・オルークもその年('99年)のベスト10に選んでいましたね。

151114skn.jpg

さかな『BLIND MOON』

氏が主宰するレーベルからの作品。プロデュースはさかな自身ですが、何かしらの形で氏が音に絡んではいると思います。「デモ音源の仮歌をそのまま採用しようと本人たちを必死で説得した」というエピソードを読んだ記憶があります(うろ覚えなのでこの作品じゃなかったかも・・・)。

いずれも音質にこだわりの感じられる作品で、可能な限り良いオーディオで聴きたいところですね。













| trackback(0) | comment(0) |


<<中山道東濃駅伝 | TOP | ウォーターフロント・スタジオのレコード>>

comment











管理人のみ閲覧OK


trackback

trackback_url
http://eyk.blog107.fc2.com/tb.php/1663-52794799

| TOP |

プロフィール

EYK@ビートエフスキー

Author:EYK@ビートエフスキー
世界に愛と平和をもたらすために結成された名古屋発スーパーバンド『ビートエフスキー』
★8/6(日)LIVE@大須ell.SIZE♪
現在充電中、名古屋のインディーズ・バンド『ニコルデカ』
★11thアルバム『士(サムライ)』好評発売中♪
★ベスト盤『better』(1st~7thアルバムから選曲)好評発売中♪

twitterやってます

instagramやってます

カレンダー

03 | 2017/04 | 05
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -

カテゴリー

最近の記事

最近のコメント

月別アーカイブ

ブログ内検索

RSSフィード

最近のトラックバック

リンク

このブログをリンクに追加する