2017/07/07 (Fri) 橘玲 著「幸福の資本論」を読んで

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待ち切れない思いで発売日に書籍を買う、なんて事、40年超の人生で恐らく初めてじゃないかな。で、もう2回読んだ。

橘氏の著作のほとんどはタイトルが俗っぽい、と、これまでも繰り返し書いてきたが、今回のはタイトルは普通だけど、表紙がかなり下世話(笑)。もっと知的でオシャレな装丁にしてもらいたいもんだが、分かりやすさを最大限に重視すればこうなっちゃうのは仕方がないのかな・・・。確かに文中に「ソロ充・プア充・リア充」の話は出てくるけど、これではまるで安っぽいハウツー本みたいだよね・・・。




それはさておき、現時点における橘氏の“人生設計本”の集大成的な内容。相変わらず文章も平易で読みやすい。

まず、幸福を実現するために必須なものとして「金融資産・人的資本・社会資本」の三つのインフラが挙げられ、これら全てを満たすことは至難だが、いずれか2つを満たせば相当高い精度で幸福になれる、と説いている。

実は自分も以前から「どうやったら高確率で幸福感を得られるか」を考えていて、それは複数の精神的支柱(例えば「仕事・家庭・趣味」のような)を作ってリスクヘッジする事だな、という結論に至りましてね。つまり、何本かの柱の一つあるいは二つが上手くいかなくても、残り一つでも柱が残っていれば、そこで幸福感を感じられるんじゃないか、と考えたのです。仕事がダメでも趣味に燃えればいい、趣味がダメでも暖かい家庭があればいい・・・といった具合に。これがもし「仕事一筋」だったりしたら、その仕事が上手くいかなかったら絶望じゃん、となるわけです。

このように、自分自身も「分散投資」「リスクヘッジ」の幸福論を持っていたので、橘氏の論もすとんと腑に落ちたわけ。(ただ自分の幸福論は、経済的な部分は考えず、「喜びを見出す居場所」に特化したものだったけれどね。)




で、その「三つのインフラ」の考え方から導き出された結論がいくつかあって、まず「お金」に関して言えば、

①年収800万円(夫婦なら1500万円)までは、収入が増えるほど幸福度は増す。
②金融資産1億円までは、額が増えるほど幸福度は増す。
③つまりそれ以上増えても幸福度は変わらない。


との事。なので、とりあえずその額に達するまでは頑張ってお金を稼いで貯めましょう。・・・と言うのは簡単だけど、恐らく②は届かなさそう。したがって、このさき一生、完全にお金の問題から開放されることはなさそう、と言うこと。「早期リタイアしてあとはのんびり暮らす」なんて事もできないし、「年に一度の海外旅行は無理だから、基本は国内旅行にしとこう」だし、「むすめを普通に大学まで出してやるのは大丈夫だが、留学したいのなら奨学金で行ってもらおう」など、どこかで制約がかかる人生ということです。

そして資産運用については、この低金利時代にできる事は少なく、

④普通預金と外貨預金に分散しておけばいい。

だそうで。実感としてもその通りだと思うし、実際今自分がしてる事とも大して違いはありません。




次に「人的資本」についての結論は、

①好きな事に人的資本の全てを投入する。
②好きな事をマネタイズできるニッチを見つける。
③官僚化された組織との取引から収益を獲得する。


との事。③は必須ではないと思うけど、①②は両方必須だよね。②の事を考えず、①だけ目指してる人は結構多そう。いや、もっと多いのは、①すら目指さず我慢してる人かな・・・。

そして極め付きの結論は、

④生涯共働き

これです。とにかくみんな「老後が不安」なのだから、「老後」を極限まで短くしてしまえばいい、と。逆に言えば、一生働き続けるのなら好きな事しかやれないでしょ?という事。

この結論が残酷なのは、日本人の大半を占める「サラリーマンという生き方」が、この戦略にほとんど当てはまらないからです。実は自分も同じ事(③以外)を考えていて、だからこそ昨年、20年続けた「サラリーマン」を辞めたのです。ギリギリだった、というか、43歳(当時)という年齢は、一般的に言えば手遅れだよね。まさにこの本に書かれている通り、ほとんどのサラリーマンは「社内スキル」しか身につかないので、その会社以外では通用しないんですよ。そんなサラリーマンだった自分がそれでもなんとか今新しい仕事で暮らしていけてるのは、専門性のある学歴、そこで取った資格、そして何より、退職後の勉強で身に付けたスキルのおかげであって、社内限定スキルなど全く役に立っていないのです。①②に完全一致とはいかないまでも、スペシャリストと言われる仕事で楽しいしやりがいもあるし、④は(妻は別問題として)十分実現可能な仕事です。




最後に三つ目の「社会資本」についての結論は、

◎「強いつながり」を恋人や家族に最小化し、それ以外の関係を「弱いつながり」にする。

これについてはまさに今の自分の方向性で申し分ない。自分の友人関係は、わけもなく飲みに行ったり、悩み相談をしたりといったベタな付き合い方ではなく、価値と価値を等価交換できるような関係がほとんど。楽器の弾ける人とバンドを組み、面白い活動をしてる人とコラボしたり情報交換したりする。いわばプロジェクト毎に離合集散を繰り返すスタイルに近いと言えます。




橘氏はこれら三つのインフラの、どれとどれを組み合わせて持っているかによって、8つの人生パターンに分類しています。

・三つ全て持ってる=「超充」タイプ(←原理的に不可能に近い、との事)
・「金融資産」&「人的資本」=「金持ち」タイプ
・「金融資産」&「社会資本」=「旦那(遊び人・趣味人)」タイプ
・「人的資本」&「社会資本」=「リア充」タイプ
・「金融資産」のみ=「退職者」タイプ
・「人的資本」のみ=「ソロ充」タイプ
・「社会資本」のみ=「プア充(マイルドヤンキー)」タイプ
・何も持ってない=「貧困」タイプ

これによると自分は、「人的資本」と「社会資本」を持っている、すなわち「リア充」タイプ。はい、実感と相違ありません。そして今後の課題は、

①「金融資産」をなるべくマシにする→今年で某「足枷」が終了するので、あとはひたすら貯めるのみ。
②「人的資本」を確固たるものにする→なにせ職がえしたばかりなので、今の仕事を完全に軌道に乗せる。そしてカミさんの人的資本は、今は十分なものだけど、来るべき将来の課題は見えているので、それに備える。
③「社会資本」の維持→この調子でやっていく。

最大の課題は②!当分の間は②に集中、で間違いない。

なんて俺にぴったりな内容なんだろう。俺のために書かれた本かよ・・・と最後まで読み進めると、あとがきに置かれていた言葉が、

「ひとは、自分と似ているひとからの助言がもっとも役に立つ」

でして。まるでお釈迦様の掌の上の孫悟空の気分。いやはや、参りました。









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